未収入金(未収金)とは?売掛金・未収収益との違いと計上時期
未収入金(未収金)の意味を、売掛金・未収収益との違いと科目を選ぶ3つの問いで整理します。社用車や土地の売却、補助金で計上する日、決算での点検、相殺と時効、ファクタリングの仕訳で未収入金が出てくる場面まで確かめられます。
「社用車を売った代金がまだ入っていない。これは売掛金なのか、未収入金なのか」。会計ソフトの科目を選ぶ手が止まり、間違えたら決算で困るのではと不安になる方は多いはずです。未収金や未収収益など似た名前の科目が並び、迷いはさらに深まります。
当サイトは、ファクタリング会社を第三者の立場で比較し、売掛金や資金繰りの扱いを中立に整理しているメディアです。本記事では未収入金の意味と、売掛金・未収収益との違いを3つの問いで見分ける方法を、法令と国税庁の資料をもとにまとめます。取引ごとの計上のタイミングと仕訳の例も、あわせて確かめられます。
同じ流れで、決算での点検や、回収できないときの相殺と時効、資金繰りやファクタリングとの関係まで確認できる構成です。
未収入金とは本業以外の代金を受け取る権利
未収入金とは、本業以外の取引で受け取ることが決まったのに、まだ入金されていないお金を記録する勘定科目です。社用車の売却代金や、支給額が決まった補助金の入金待ちが代表例で、貸借対照表では資産として扱います。
未収金と未収入金は同じものを指す呼び方
未収金と未収入金は、法令や会計の指針で使い分けが決められているわけではありません。財務諸表等規則のガイドラインも、本業の取引から生じたものと本業以外のものの両方に「未収入金」という言葉を使っています。
勘定科目の名前としては、会計ソフトの初期設定や会社の慣行でどちらかを選ぶのが実務です。社内で決めた呼び方を毎期続けて使えば、前の年の帳簿と見比べやすくなるでしょう。
なお、会社計算規則第74条は売掛金を「事業上の未収金」と定めており、法令の上では未収金が売掛金も含む広い意味でも使われます。そのうえで、本業の売上の入金待ちは売掛金、それ以外は未収入金と、取引の中身で科目を分けるのが一般的な整理です。
「未収計上」は入金前に帳簿へ載せる処理
「未収」は、受け取る権利が確定したのに、まだお金を受け取っていない状態を指します。その時点で未収入金や売掛金として帳簿に載せる処理が「未収計上」です。
計上の条件は、入金があったかではなく、受け取る権利が確定したかどうかにあります。国税庁のタックスアンサーNo.2200は、個人の収入について、お金を受け取ったか、代金を請求したかは関係ないと説明しています。法人も法人税法第22条の2により、資産を引き渡した日の事業年度に収益を計上するのが原則です。
権利が確定する日は取引ごとに違います。固定資産の売却や補助金での具体的な日付は、取引ごとの計上のタイミングで整理しました。
貸借対照表では流動資産に入る
決算日の翌日から1年以内に入金される未収入金は、貸借対照表の流動資産に入ります。会社計算規則第74条が、1年以内に現金化できると認められる資産を流動資産の「その他の資産」と定めているためです。
上場会社などが使う財務諸表等規則では、未収入金は流動資産の「その他」にまとめて表示します。ただし、その金額が資産の総額の5%を超えると、名前を付けて別に記載しなければなりません。
入金が1年より先になる分は、固定資産の「投資その他の資産」に移します。決算での扱いは、長期未収入金への振り替えの節を参照してください。
未収入金と売掛金・未収収益の違い
未収入金・売掛金・未収収益は、「続いている契約の期日前の分か」と「本業の取引か」で分かれます。継続契約の経過分は未収収益、本業の売上の入金待ちは売掛金、それ以外で受け取ることが確定したお金が未収入金です。
売掛金は本業の売上の入金待ち
売掛金は、本業の商品やサービスを売った代金のうち、まだ入金されていない分です。会社計算規則第74条は、売掛金を「通常の取引に基づいて発生した事業上の未収金」と定めています。ここでいう通常の取引とは、事業目的のための営業活動で、ふだんくり返し発生する取引、または短い期間で循環して発生する取引のことです。
たとえば家具店が家具を売った代金は売掛金ですが、配送用のトラックを売った代金は未収入金になります。土地の売却も、不動産会社が販売用の土地を売れば本業の売上で、製造業の会社が工場の跡地を売れば本業以外の取引です。
本業かどうかは、その会社がふだん事業としてくり返している取引かで判断しましょう。売掛金そのものの性質は売掛債権とは|売掛金との違いで詳しく説明しています。
未収収益は続いている契約の経過分
未収収益は、続けてサービスを提供する契約で、すでに提供した分の対価をまだ受け取っていないものです。中小企業の会計に関する指針は未収利息や未収家賃を例に挙げ、それ以外の契約による未収金とは区別するよう求めています。
たとえば3月決算の会社が、半年ごとに利息を受け取る約束でお金を貸している場合です。支払日がまだ来ていない1月から3月までの利息は、決算で未収収益として計上します。このように時間の経過に合わせて計上する科目が、経過勘定です。
一方で、本業以外の家賃や利息で支払期日が過ぎたのに入金がない分は、請求できる代金が確定しています。この場合は未収入金として扱う説明が一般的です。
未払金・立替金とは向きと中身が違う
未払金は、本業以外の取引で自分が支払う側のお金で、未収入金とは向きが逆の負債です。中小企業の会計に関する指針も、未払消費税等は未払金、未収消費税等は未収入金に入れるとして、対になる科目として扱っています。
立替金は、取引先や従業員の代わりに一時的に支払ったお金の精算待ちです。指針は金額が重要な立替金に適当な名前を付けて計上するよう求めており、未収入金に含めて管理する会社もあります。
代金として受け取る権利が確定したものは未収入金、相手の代わりに一時的に払っただけのものは立替金と考えると、区別しやすくなるはずです。
3つの問いで使う科目を選べる
迷ったときは、次の3つの問いを上から順に確かめると科目を選べます。
- 受け取る側か。払う側なら未払金などの負債
- 続く契約の期日前の分か。そうなら未収収益
- 本業の取引か。本業なら売掛金
- どれでもなければ未収入金
未収収益は本業の契約でも生じるため、本業かどうかより先に確かめます。相手の代わりに一時的に払っただけのお金は、この問いとは別に立替金として扱いましょう。
| 科目 | 取引の中身 | 例 | 貸借対照表 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 本業の売上 | 商品の販売代金 | 流動資産 |
| 未収収益 | 継続契約の経過分 | 期日前の利息・家賃 | 流動資産 |
| 未収入金 | 本業以外で確定した代金 | 社用車の売却代金 | 流動資産 |
| 立替金 | 一時的な立て替え | 取引先の送料の立替 | 流動資産 |
| 未払金 | 本業以外の支払い | 備品の購入代金 | 流動負債 |
表の区分は、1年以内に入金や支払いがある場合のものです。業種によって本業の範囲が変わるため、判断が分かれる取引は顧問税理士に確かめておくと安心できます。
未収入金になる取引と計上するタイミング
未収入金は、受け取る権利が確定した日に計上します。その日は取引ごとに違い、固定資産の売却なら引渡しの日、補助金なら交付額が確定した通知の日が目安です。消費税の有無も、科目ではなくもとの取引の中身で決まります。
社用車や機械の売却代金は引渡しの日に計上
社用車や機械を売って代金があとから入る場合は、相手に引き渡した日に未収入金を計上します。法人税基本通達2-1-14が、固定資産を譲渡したときの収益を、引渡しがあった日の事業年度に計上すると定めているためです。
課税事業者であれば、事業に使っていた車両や機械の売却は消費税の課税対象です。消費税法基本通達5-1-7は、事業用の建物や機械等の売却を、事業に付随する課税の取引に挙げています。個人事業主が家事と兼用していた車なら、事業で使った分だけが対象です。
たとえば帳簿価額50万円の社用車を税込77万円で売ると、税抜の売却額70万円と帳簿価額の差の20万円が固定資産売却益、消費税7万円が仮受消費税等になります。代金が入った日に未収入金を消して普通預金に振り替える流れで、仕訳はこの章の最後の表にまとめました。
土地の売却代金には消費税がかからない
土地を売った代金の入金待ちも未収入金ですが、車や機械と違って消費税はかかりません。国税庁のタックスアンサーNo.6201が、土地の譲渡と貸付けを消費税の非課税取引としているためです。
計上する日は引渡しの日が原則で、土地や建物は契約の効力が生じた日に計上することも認められています。帳簿価額1,000万円の土地を1,200万円で売った場合も、仕訳に仮受消費税等は出てきません。
ただし、不動産会社が販売用の土地を売ったときは本業の売上なので、未収入金ではなく売掛金です。
助成金・補助金は種類で計上時期が変わる
助成金や補助金は、種類によって未収入金を立てる時期が違います。法人税の取り扱いは、次の3つに分けると整理しやすいでしょう。
- 休業手当などを補う助成金は事実があった期
- 雇用改善などの奨励金は支給決定の日
- 補助金は交付額の確定の通知を受けた時
経費を補う助成金は、法人税基本通達2-1-42により、金額が決まっていなくても見積もって計上します。補助金は、東京国税局の文書回答事例が、交付決定と交付額の確定の通知を受けた時点で収入が確定するとしました。これは個別の事案への回答という位置づけです。
補助金は、中小企業庁の解説のとおり事業のあとに検査を受け、額が確定してから支払われる後払いが原則です。採択や交付決定だけの段階では、まだ未収入金にしません。国や自治体の助成金・補助金は、タックスアンサーNo.6157で一般に消費税のかからない取引とされています。
保険金や消費税の還付金も入金待ちなら対象
支払額の通知を受けた保険金や、還付を受ける消費税も、入金されるまでは未収入金として扱います。保険金は、通知で金額が確定した時点で計上するのが一般的な処理です。
消費税の還付については、中小企業の会計に関する指針が、未収消費税等を未収入金に入れ、金額が大きいときは別の科目で表示するとしています。一方で、法人税などの還付には「未収還付法人税等」という別の科目を使います。
保険金は資産を売った対価ではないため、消費税法基本通達5-2-4により消費税はかかりません。ここまでの場面の仕訳を、税抜で記帳する場合の例でまとめると次のとおりです。
| 場面 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 社用車を引き渡した日 | 未収入金77万円 | 車両運搬具50万円・売却益20万円・仮受消費税等7万円 |
| 車の代金が入った日 | 普通預金77万円 | 未収入金77万円 |
| 土地を引き渡した日 | 未収入金1,200万円 | 土地1,000万円・売却益200万円 |
| 補助金300万円の額が確定 | 未収入金300万円 | 補助金収入300万円 |
| 保険金50万円の額を通知 | 未収入金50万円 | 受取保険金50万円 |
表の売却益は固定資産売却益を指します。補助金で固定資産を買ったときの圧縮記帳など、個別の処理は顧問税理士に確認してください。
決算で確かめる未収入金の3つの点検
決算では、未収入金の残高に「漏れや重なりがないか」「1年を超えて回収する分がないか」「回収できない分がないか」の3点を確かめます。どれも、決算書の資産を実態どおりに見せるための確認です。
計上漏れと二重計上を証憑で確かめる
最初に、受け取る権利が確定したのに帳簿に載っていない未収入金がないかを確かめます。会計では、お金が動いた時ではなく取引が起きた期に記録する発生主義が原則です。期末までに権利が確定した分は、入金がなくても計上しなければなりません。
照らし合わせる資料は、売買契約書や引渡しの記録、補助金の交付額の確定通知、保険会社の支払通知などです。反対に、入金の時に未収入金を消し忘れ、収入を二重に計上していないかも、通帳と残高を突き合わせて確認しましょう。
1年を超えて回収する分は長期未収入金にする
入金の予定が決算日の翌日から1年を超える分は、流動資産から外して投資その他の資産に移します。会社計算規則第74条と中小企業の会計に関する指針が、本業以外の債権を、1年以内に現金化できるかどうかで区分すると定めているためです。
移した先の科目名は法令で決まっておらず、「長期未収入金」や「長期未収金」と呼ぶのが一般的です。たとえば設備を売って残りの代金240万円を毎年80万円ずつ受け取る約束なら、1年以内に入る80万円は流動資産に残し、160万円を長期未収入金に振り替えます。
翌期の決算では、新たに1年以内に入る分を流動資産に戻します。分割で受け取る未収入金は、毎期この見直しが欠かせません。
回収が難しい分は貸倒れの条件を確かめる
回収の見込みが立たない未収入金は、貸倒損失や貸倒引当金で処理できるかを確かめます。法人税で貸倒損失にできる場面は、法人税基本通達9-6-1から9-6-3に定められています。
注意したいのは、取引をやめて1年以上たった債権を扱う9-6-3が、継続して取引していた相手の売掛債権を前提にしている点です。通達の注は、たまたま取引した相手への債権には使えないとしています。そのため固定資産の売却代金のような1回きりの未収入金は、法律上の切り捨てか、全額の回収ができないと明らかになったかで判断するのが基本です。
法人税で損金にできる貸倒引当金は、資本金1億円以下の中小法人等などに限られます。国税庁のタックスアンサーNo.5500によると、未収の譲渡代金は一括評価の対象になり、雇用関係の法令にもとづく給付金等の未収金は対象外です。
| 点検すること | 見る資料 | 必要な対応 |
|---|---|---|
| 計上漏れ | 契約書・通知書 | 確定した分を計上 |
| 二重計上・消し忘れ | 通帳・入金記録 | 入金済みの分を消す |
| 1年を超える入金予定 | 契約の支払条件 | 長期未収入金へ振り替え |
| 期日を過ぎた残高 | 督促の記録 | 回収の見込みを判断 |
| 回収できない見込み | 相手の経営状況 | 貸倒れ・引当金を検討 |
同じ未収入金でも、発生原因によって貸倒引当金や消費税の扱いが変わります。補助科目で原因ごとに分けておけば、決算の点検が楽になるはずです。貸倒れの判断は、顧問税理士と相談して決めてください。
回収できない未収入金の相殺と時効
同じ相手に支払うお金があれば、双方の支払期日が来た時点で未収入金との相殺が可能です。相手の承認も法的な手続きもないまま放っておくと、受け取れると知った時から5年で、時効により権利が消えるおそれがあります。
同じ相手の買掛金とは期日が来れば相殺できる
未収入金の相手に買掛金などの支払いがあるなら、双方の期日が来ていれば相殺で回収できます。民法第505条が認めるのは、互いに同じ種類の債務を負い、どちらも支払期日にあるときの相殺です。続く第506条により、相殺は相手への意思表示で行うのが決まりです。
勘定科目の名前が違うことは、相殺の条件ではありません。ただし、未収入金の支払期日がまだ来ていない場合や、契約で相殺を禁じている場合は相手との合意が必要です。後で争いにならないよう、相殺の通知書や合意書を残しておきましょう。
相手が倒産した場合や、債権が差し押さえられた場合は、相殺できる範囲に法律の制限があります。こうした場面では弁護士に相談してください。
時効は受け取れると知った時から5年
未収入金も、受け取れると知った時から5年、受け取れる時から10年のどちらか早いほうで時効になり得ます。2020年4月1日に施行された改正民法の第166条が定める期間です。
改正前は、売掛代金の2年など職業ごとの短い時効がありましたが、法務省の説明資料のとおり改正で廃止されました。ただし、2020年3月31日以前に生じた債権や、それ以前の契約から生じた債権には、改正前の時効期間が適用されます。古い未収入金が残っているなら、契約の日付を確かめておくと安心です。
督促状を送っても時効の期限は延びない
督促状を送ると、送った時から6か月が過ぎるまでは時効が完成しません。民法第150条が、裁判の外での請求である催告にこの猶予を認めているためです。ただし時効の期限そのものが延びるわけではなく、くり返し送っても猶予は重ねられません。
時効を止めるには、時効が完成する前に次のような手段をとる必要があります。
- 相手に支払義務を認めてもらう
- 支払督促や訴訟を申し立てる
- 協議することを書面で合意する
相手が支払義務を認めると時効は更新され、その時点から数え直しになります。分割払いの約束や残高確認書に相手の署名をもらっておけば、この承認の記録として役立つはずです。
未収入金と資金繰り・ファクタリングの関係
未収入金や売掛金が増えると、帳簿の上では利益が出ていても手元の現金が足りなくなることがあります。入金を早める手段のファクタリングは売掛債権を前提にしたサービスが中心で、未収入金を扱うかは会社ごとの確認が必要です。
入金待ちが増えると黒字でも現金が足りなくなる
未収入金は、売却益や補助金収入としてすでに利益に入っていても、現金はまだ手元にありません。たとえば社用車の売却代金100万円の入金が3か月後で、来月に100万円の支払いがあるとします。帳簿の上では黒字でも、来月の支払いに使えるお金は足りません。
とくに補助金は事業を終えて検査を受けたあとに支払われるのが原則で、かかる費用はいったん自分で用意しなければなりません。未収入金の入金予定日を資金繰り表に書き込み、支払いの予定と並べておけば、お金が足りなくなる月を前もってつかめます。
利益と現金の動きのずれは、キャッシュフロー計算書の見方を知っておくと確かめやすくなります。
ファクタリングで売れるのは売掛債権が中心
ファクタリングは、本業の取引で生まれた売掛債権を期日前に買い取ってもらうサービスが中心です。金融庁も、事業者が持つ「売掛債権等」を期日前に手数料を取って買い取るサービスで、法的には債権の売買契約だと説明しています。
固定資産の売却代金や補助金の未収分のような未収入金を扱うかどうかは、申し込む前に各社へ確かめてください。金融庁は、買取代金が債権の額に比べて著しく低い契約や、売主が債権を買い戻す契約などは貸付けに当たるおそれがあると注意を呼びかけています。
売掛金の資金化を考えるなら、手数料や入金までの日数をファクタリング会社一覧で見比べられます。未収入金については、相手先への支払時期の確認や、取引のある金融機関への相談もあわせて検討しましょう。
ファクタリングの仕訳で未収入金が出てくる場面
ファクタリングの契約日と代金の入金日がずれるときは、仕訳に未収入金が出てきます。契約日に売掛金を譲渡したものとして消し、ファクタリング会社から受け取る買取代金を未収入金として立てるからです。
企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」は、債権の支配が相手に移った時点で消滅を認識し、帳簿の金額との差額を損益にすると定めています。売掛金100万円を手数料10万円で売り、入金が3日後で、契約日に支配の移転の要件を満たす場合を考えます。契約日に未収入金90万円を立て、差額の10万円は一般に「売掛債権売却損」などの科目で費用にし、入金日に未収入金を消す流れです。
売主が買い戻す義務を負う契約などは、この扱いになりません。契約と入金が同じ日なら未収入金を通さない処理もあり、同じ決算期に収まるなら入金日にまとめて売却損を計上しても損益の合計は変わりません。2社間・3社間ごとの流れはファクタリングの仕訳、売却損をいつ計上するかはファクタリング売却損の計上時期で整理しています。
よくある質問
個人事業主の場合や、売掛金とまとめて処理してよいか、回収できなかったときの消費税など、本文で触れきれなかった疑問への答えをまとめました。
個人事業主も未収入金を使いますか
はい。事業用の車や機械を売って代金があとから入るときは、個人事業主も未収入金を立てます。ただし車や機械の売却益は、事業所得ではなく譲渡所得の対象です。そのため帳簿では売却益を事業の収入にせず、事業主借で処理するのが一般的です。なお、事業の売上などは現金主義を届け出た小規模な青色申告者なら入金の時に計上できますが、譲渡所得はこの特例の対象になりません。
本業以外の入金待ちを売掛金で処理してもよいですか
原則として分けて記録します。会社計算規則は売掛金を本業の取引から生じた未収金と定めており、本業以外の債権は区別するのが会計の考え方です。少額で顧問税理士と合意していれば問題になりにくいものの、金額が大きいと、決算書で本業の売上債権が実態より大きく見えてしまいます。
回収できなかった未収入金の消費税はどうなりますか
消費税がかかった取引の代金なら、貸倒れになった分の消費税を売上げの消費税から差し引けます。国税庁のタックスアンサーNo.6367による扱いで、免税事業者は対象外です。車や機械の売却代金は対象になり得ますが、土地の売却代金や補助金の未収分は、もともと消費税がかかっていないため対象になりません。
まとめ
未収入金は、本業以外の取引で受け取ることが確定したのに、まだ入金されていないお金を記録する科目です。続く契約の期日前の分なら未収収益、本業の売上なら売掛金と、3つの問いで見分けられます。計上するのは入金の日ではなく、権利が確定した日です。
まずは手元の未収入金を相手先と入金予定日ごとに一覧にし、期日を過ぎたものから相殺や督促の手を打ちましょう。判断に迷う取引は顧問税理士に確かめ、売掛金の資金化を考えるときはファクタリング会社一覧で条件を見比べてください。
参考文献
- e-Gov法令検索「会社計算規則」
- e-Gov法令検索「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」
- 金融庁「「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(財務諸表等規則ガイドライン)」
- e-Gov法令検索「法人税法」
- e-Gov法令検索「民法」
- 企業会計基準委員会ほか「中小企業の会計に関する指針」(2025年9月修正)
- 企業会計基準委員会 企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」(2026年10月改正)
- 国税庁 タックスアンサーNo.2200「収入金額とその計算」
- 国税庁 法人税基本通達 第2章第1節第2款「固定資産の譲渡等に係る収益」
- 国税庁 法人税基本通達 第2章第1節第7款「その他の収益等」
- 国税庁 法人税基本通達 第9章第6節第1款「金銭債権の貸倒れ」
- 国税庁 消費税法基本通達 第5章第1節「通則」
- 国税庁 消費税法基本通達 第5章第2節「資産の譲渡の範囲」
- 国税庁 タックスアンサーNo.6201「非課税となる取引」
- 国税庁 タックスアンサーNo.6157「課税の対象とならないもの(不課税)の具体例」
- 国税庁 タックスアンサーNo.6367「貸倒れに係る税額の調整」
- 国税庁 タックスアンサーNo.5500「一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の対象となる金銭債権の範囲」
- 国税庁 タックスアンサーNo.5501「一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の設定」
- 国税庁 タックスアンサーNo.3105「譲渡所得の対象となる資産と課税方法」
- 国税庁 タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」
- 東京国税局 文書回答事例「固定資産の取得後に国庫補助金等を分割して受けた場合の圧縮記帳の取扱い及び国庫補助金等の範囲について」
- 中小企業庁 ミラサポplus「補助金とは」
- 法務省民事局「民法(債権関係)の改正に関する説明資料-主な改正事項-」
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」(2026年11月7日閲覧)